ぼんごさんと中学校

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ぼんごさんと中学校:記憶にございません

卒業式のことは記憶にないらしい。だが、卒業式の後の出来事はよく覚えている。 記憶をポイする 人間は思い出とともに生きる。それと同じくらい忘れながら生きる。 記憶するのも忘れるのも人間のなせるわざで、努力すれば意図的に覚えていたり忘れたりする...
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ぼんごさんと中学校:ピアス

15歳になったころには、体調が良ければ少し遠い町へ遊びに出かけることも増えていた。遠いといってもせいぜい電車で1時間くらい。 街 大きな町は楽しかった。街へ出ると、いろんな服に見とれては、自分もあんなのを着てみたいと願った。 お金がないので...
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ぼんごさんと中学校:ぼんご好かれる嫌われる

なんとなし、教室の空気を退屈に感じるようになったぼんご。 友情は永遠じゃないということを学んでいたので女子の仲良しグループに所属する気はなかったし、男子の中にずんずん入りこんでゆく気もなく、いけいけグループに入りたいわけでもなく、いい子にな...
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ぼんごさんと中学校:教室の空気

中学校生活ももう終わりが見え始めていたころ。昔からのお友達からしたらぼんごちゃんは何か変わってしまったみたい、と思われたのでは。でも、その後のぼんごと出会った僕からしたら、この頃からぼんごは急速に今のぼんご成分を強めて行ったようだった。 休...
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ぼんごさんと中学校:将来の夢

進路指導があって、どの学校に行きたいのかと聞かれた。 どんな学校に行って何をしたい?将来の夢はある? そんなようなことを聞かれて、ぼんごは戸惑ってしまった。 School 自分の将来を考えてみるも、行きたい学校、夢や希望、なりたい自分、やっ...
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ぼんごさんと中学校:カレーの晩のできごと

やっぱうちのカレーがいちばん美味しい。と、どの家もそんな時間を過ごすカレーの晩。 ぼんご家も例に漏れず、家族でカレーをむしゃむしゃやっていたのだった。 FAT ぼんごも、お母さんのカレーは大好物だった。 カレーは大好きだったのだが、肉の脂が...
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ぼんごさんと中学校:ぼんごさんとお母さん3

体調が悪くないとき、ぼんごがお母さんに従順であるとき、ぼんごがお母さんの基準を満たすような頑張りを見せたときなどには、お母さんは世界中の誰よりも優しいお母さんだった。 病院に行く日 寛解を迎えてからも数か月に一度くらいのペースで腎臓内科には...
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ぼんごさんと中学校:ぼんご学校をさぼる

学校をさぼったことがある方ならわかると思う。学校へ行きたくない理由は様々あれど、さぼったらさぼったで罪悪感もあることを。 早退 ぼんごなりに普通をこなす努力をしてきてはいた。 多少体調が悪くても精神力だけで身体に鞭打って、学校に無理やり登校...
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ぼんごさんと中学校:そのくらい平気

人並みを頑張って過ごす生活をつづけたぼんご。だがどんなに頑張ったところで腎臓は回復しない。頑張れば頑張るほどむしろ、体調は悪くなった。 腎炎は進行こそしなかったが、体調が悪い状態で普通を過ごすことが自分の日常なのだと思い知らされたのがこの時...
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ぼんごさんと中学校:ぼんごさんとお母さん2

寛解の知らせを一番喜んだのはお母さんだったかもしれない。 紫斑病性腎炎を抱える娘を何よりも大切に思い、ときに優しく、ときに厳しく、ぼんごが人並みに生きていけるようになることを望んだ十数年だった。 詳しくは聞けないが、ぼんごが小学校の頃には、...
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