ぼんごさんと高校:発作

ぼんごさんと高校

窓の外は流れる住宅地。
目まぐるしく次から次へ変わる景色。
壁、看板、木々、家、ビル。

ドアが開く音。
友達の話し声。
発車のベル。

時間にして15分くらいの、いつもの電車のいつもの風景。
普段と同じ、登校の一場面だった。

だったはずだった。

はじまりはいつも電車

さっきから、ひどく気持ちが悪い。

めまいが止まらない。視界が、窓の景色がぐるぐる回る。
音がうるさい。友達の会話が雑音のよう。
心臓の音だけが大きい。

呼吸が苦しい。酸素が肺に入ってこない。
冷や汗をかいている。わきの下をつうと汗が垂れた。

なんだか身体のちからが入らない。足が震える。
浅い呼吸を続けながら口の中も緊張がひどく、つばを飲み込もうとしたら、飲み込めなかった。

すこし休みたい。
友達にひとことを告げて、ぼんごさんは次の駅で降りた。

ゆっくりにしか動けない。
流砂のように歩きづらいホームの地面をふわふわとした足取りで進んで、ぼんごさんは遠く離れた数メートル先のベンチを目指した。

やっとベンチにたどり着いたころにはすっかり電車は走り去っていた。

発作

内臓が結託して自分に反乱でも始めたのかと思った。
ぼんごさんは不調にただひたすら耐えた。

胸が苦しく呼吸が上手くできない。身体中の力がぬけてベンチに同化してしまいそう。
何が何だかわからない。気持ちが悪い。

ただじっとベンチになって耐えた。

通勤客や学生がうるさい。
電車もうるさい。

どうした私の身体。なんでこんな風になるの。
どうしたら力が戻るの。どうすればめまいが止まるの。
深く呼吸をしてみる。でも酸素は少ししか来ない。
冷や汗が服をぬらした。

今日これから学校に行けるのか自分。
今日の授業はなんだったっけ・・・。
すこしつばを、飲み込んだ。
学校に行かなくては。電車に乗るんだ。

頭の中で学校のことを考えるも、身体は動かない。
何十分か椅子になって、ただそこにいた。

かなり時間が経ってから、すこし酸素が来た感じがした。
水を買いに自販機まで歩けるくらいになった。

また少し休んで、ぼんごさんは電車に乗った。
学校は遅刻して行った。

最初の発作はこんな感じだったらしい。

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