ぼんごさんと高校:ぼんごさんと友達④(男の子たち)

パニック障害

頭はぼさぼさ、服装は適当、目は半開き。
遅刻が多い、欠席が多い、早退が多い。

身体の中では謎の体調不良が今か今かと出番を待ち構えており、ぼんごもそれに意識的になって、どうにか大人しくしていてくれと願うばかりで他にできることもなく、学校に行けるかどうかはその日の敵の出方次第になっていて、行けたとしても元気もりもりな日などなく、満足に学校に行ける日がほぼなくて、要するにぼんごの高校生活は破綻していた。(過去記事ご参照)

隣のクラスの奴が言ってるぞ

あるときぼんごに男子が話しかけてきて、別のクラスの奴がお前のことを悪く言っているぞと、お前は嫌われているぞ、ということを言ってきた。

ぼんごが覚えている言葉はこんな感じだったらしい。
「あいつは危ない奴だ、あいつは嫌いだ」
「あいつはやばい、あいつは狂ってる」
「あいつは気持ち悪い、話さないほうがいい」

名前も知らない、顔もわからない、話したこともない男子が自分のことを噂して悪く言っている。

人って簡単に人を嫌ったり傷つけたりするのだとぼんごは思った。
しかもかなりふんわりした理由で。

進学校だったから、異分子的な自分は何かと噂の的になったのだろうと思う。
元気で何の苦労もない奴からしたら自分は何かの基準から外れた存在なのだろうと、ぼんごは疎外感を覚えた。

この噂話を伝えてきた男子も何が言いたかったんだろうと悲しくなった。
自分がどういう反応をするのか見たかったのか。いじめられているのか。

ぼんごは特に言い返すこともなくて、ただ自問自答を繰り返すばかりだった。

普通じゃない自分

この頃、ぼんごは「すべてが嫌」になっていた。

体調不良の原因がわからない、学校にまともに通えない、成績が落ちる、親には相談できない、先生には怒られる、女子たちは私は友達じゃないと言う、男子は勝手に私を排除している。

自分が何か悪い事をしたわけじゃないのに、何故か自分は悪者扱いされているという思いが強かった。

みんなからして普通じゃない、ということで排除される集団にいることが寂しくなった。
みんなから見たらたださぼっている人に見えたのだろうな。

みんな頭のいい人たちだったけど、自分の支えになってくれる優しさは感じたことがなかった。

当時はぼんご自身、自分がパニック障害ということも分かっていなかった。
それを知ってくれる人はどこにもいなかった。

体調不良のことを伝えても、ほとんどの人はそれを理解してくれなかった。

話を聞いてくれた先生もいたけれど、先生が自分を守ってくれる力よりもずっと強く、周囲の圧力はぼんごを潰しにかかった。

電車に乗ってせいぜい数キロの狭い狭いぼんごの世界の中、ぼんごは人知れず見えない敵と戦っていた。

何かが好転するというイメージを、それ自体をどう想像すればいいのかわからない。

将来の理想もない、夢もない、希望もない、生きる目的もない、何もない。
何がしたいかもわからない。何をすれば自分の身体が普通でいられるのかわからない。
どうすれば発作を抑えられるのかわからない。

なんでこんなことになっているのかもわからない。

バカでかい混沌をぼんごはひとりで抱え込んでしまっていた。

うまく言葉を吐くことすらままならなくて、そんな場所もない時代のことだったし、ぼんごは自分の毎日が鬱陶しくなっていて、このまま生き続けなくてもいいやと、時間の終わりに憧れるような気持ちも芽生え、もう消えてしまいたい、自分という感覚が無くなってしまいたいと、うすぼんやりそんな救済を肯定する気持ちを自分の中に見出したりするように、なってしまっていた。

追:
ぼく思う。
この男子生徒は最初こそぼんごに噂話を伝えてきてぼんごはそれで傷ついたようでしたがそれがきっかけで話をするようになってそれ以後はむしろ仲良くなったとも話していて、だったら悪口とか言わなくていいのに、とも言っていました。もしかしたら心配して彼なりに伝えてくれたのかもしれないと思います。

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