真実はどこにある(文:ぼんご)

最近のぼんごさん

ぼんごです。主人が年末からずっと多忙のためまたまた登場。
本編のぼんごぶろぐがなかなか進まずすみません。
また私のつまらぬ話を少しだけ。

以下のような問題を甥と一緒に解いていました。
・A君はZ町からY町へ1分間に80m進みます。B君はY町からZ町へ1分間に70m進みます。
【問1】同時刻にそれぞれの町から出発し25分後にA君とB君は出会いました。Y町からZ町の距離は何キロでしょう。
【問2】A君とB君は出会ってから10分休憩し、その後それぞれの町へ向かいました。B君がZ町に着いたのはY町を出発してから何分後でしょう(小数点以下が出た場合は小数点第2位で四捨五入)

小学校高学年の算数なので、A君とB君は1分間にどれだけ近づいたり離れたりするの?なんてことを話しながら解いた何てことのない問題なのですが、私のくだらない脳みそがただ正しい答えを教えるだけでいいのかと感じたのです。

真実をいうと

私はblogでも書いている通りIgA血管炎から紫斑病性腎炎になり寛解期に入ってからはパニック障害に悩まされてきました。
まだパニック障害の話まで本編が追い付いていないので詳細は書きませんが、腎炎以上にこの疾患に悩まされたのは事実です。特にこんな疾患があるということを知らず、様々な検査をしても悪い所が見つからなかった高校時代は辛いものでした。
毎日のように不安と闘いながら高校に通いそれでも不調で学校にいけない日々。
電車に乗れないので何本も見送り、遅刻して学校に行く日もあり。このような事態の際は仲の良い友達が心配してくれるのがすごく嬉しかったんです。
そんなある日、仲良しの友達の友達から1通の手紙をもらいました。
それは衝撃的な内容のものでした。

「C子(クラスの友達)から聞いているけど、ぼんご学校来ないのサボりでしょ?C子心配しているのにどうしてその気持ちわかってあげられないの?」

私は欠席や遅刻の理由を体調が悪いと嘘偽りなくC子に伝えていたのに、まさかそのことが歪曲されてサボっていると影で言われていること、またそれをC子ではなく別のクラスの子から指摘されたことにただただ深い悲しみを感じました。

真実を話しても信じてもらえない。それならば話さないほうがいい。
元々対人関係が上手く作れない私は完全に心を閉ざしました。

捻挫すると

大学へ入ってからもパニック障害と診断されるまで少し時間がかかりました。また大学の途中辺りから腎炎再燃の傾向もあったので怠さなどを感じることもしばしばあり。
それを私は全力で隠すようになっていました。学校にいけない時は「今日は面倒で」と嘘をつきました。
体調が悪いというのがただただ面倒だったのです。それに大学は高校ほど人間関係が密でないこともあり気楽でした。
ある時足を捻挫して固定して学校に行くと、「大丈夫?折れているの?」「今日休めばよかったのに」と知人が反応したのです。
折れてもおらず大した怪我でもないので学校に行ったら心配される。この白い包帯の重みは私に混乱をもたらすには十分すぎました。
普段の内面の辛さは理解されない。
でもこの見かけだけ派手な大した怪我でもないことに人は食いついてくれる。
この時に難病やメンタルからくる病気の怖さを知りました。

外見だけで簡単に判断されるんだな。
別に誰かを責めるわけではなく、率直に私が感じたことです。

友情という名の幻想

私がこういう病気を持ち日々こういうことに苦しんでいます、とここまで公に吐き出したのはこのブログが初めてのことです。匿名性という1つの壁の中で日本のどこかにこういったおばさんがいると思ってもらえるだけなら構わないかな、と思いつき。
リアルの世界に戻ったとき、私はただのそこらへんにいる人間、すれ違ってもわかるはずのない人間で、誰も私が辛いと感じているなどと思わないでしょう。

社会人になってからも腎炎とパニック障害、その他元々虚弱な身体をしているので熱を頻繁に出し、ウイルス性の胃腸炎にもよく罹りました。友達との約束の日は極力体調不良でも頑張って出かけていたのですが、たまに高熱などで「ごめん。約束の日無理そう」と断ることがありました。それは私にとっても辛い決断だったのですが、友達に迷惑をかけるよりはいいと考えたのです。

そのうち私はある人間グループの中で「嘘つきぼんご」「ごめんなさいと謝れば済むと思っている人間」と呼ばれていることを知りました。
結局高校時代と変わらない、人は大人になろうが難病のことなど理解するはずはないしそれは友達だと思っていた人間でも同じ。それ以上に世の中で地位を得たり子供を育てていても同じだと、友情という幻想を抱くことは止めようと決意をしました。

陰口叩いて溜飲を下げとる奴らや
徒党を組んで安心しとる奴らや
さりげなく行われるURAGIRIや
(中略)
虚無や くりさえされる諸行無常や

ZAZEN BOYS 『 自問自答 』より

作曲: MUKAI SHUTOKU

作詞: MUKAI SHUTOKU

そんな奴らこっちから願い下げじゃ。
私は音楽を聴いてこの世のくだらない汚染されたものを破壊しながら自分を守ってきたのでした。

答え

最初に出した問題の答えは【問1】3.75km【問2】53.6分後になります。
(私の計算がミスっていなければ)

これは算数の問題なのでずっと同じ時間を歩き、道を間違わずに出会えることが前提です。
でも本当はそんなことはない。
A君が途中転んで怪我をするかもしれない。B君はZ町までの道順を間違えてうろうろするかもしれない。
そしてA君とB君は仲違いをしていて、どちらかが会いたくないと隠れるかもしれない。

算数の問題でこんなことを考えるのは本当に馬鹿げているのですが、一生懸命問題を解く甥を前にし、算数の問題が綺麗に解けるようになったなら、世の中には君よりももがき苦しみ、小さな笑顔の裏にたくさんの困難を抱え、君と同じ年齢で君が経験したことの無いような痛みを知っている子もいるんだよ、と教えてあげようと思いました。
そしてそれを君がどう思うかは君次第だけど、できれば本当は言いたいのに我慢していることを少しでも察してあげられ自分ができることがあれば手を差し伸べることのできるような、そんな大人になってほしいと親馬鹿ならぬおば馬鹿は願っています。

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