ぼんごさんと高校:めまい(パニック障害)

パニック障害

ぼんごさんの発作には、いくつかの症状がある。

めまいもそのひとつだ。

めまいとは

めまいにはいろいろなタイプがある。
ぐるぐる回るタイプ、ふわふわ浮く感じのタイプ、くらっと頭が揺れるようなタイプなどなど。

原因にもたくさんの種類があって、耳に原因があるもの、脳に原因があるもの、貧血や発熱が原因であるもの、心因性のもの、目に原因があるもの、と、様々な身体の変調の一端として、めまいが起こるのだそうな。

そこまで深刻でないものもあれば、脳出血や脳梗塞などの脳卒中の症状のひとつであることもあって、めまいが起きている瞬間、身体がどうなっているのかを瞬時に把握するのは難しそうだ。

原因によってめまいが生じる仕組みも違うようなのだが専門的すぎて僕にはまとめきれないので書きません。
ここでは、ぼんごさんが感じる発作時のめまいについて紹介します。

ぼんごさんの場合

ぼんごさんの場合、発作が起きると、目から入ってくる情報が過剰なように感じられ、たくさんの情報が一度に脳裏に迫ってくるのを制御できず、頭がぐらつくようで、気が遠くなるような感覚に陥るらしい。

次から次へ目から脳へ伝わってくる情報を自分のペースで処理しきれず脳内が交通麻痺でもしたかのようで、それは「ふわふわ系」のめまいとなって身体に現れる。

つり橋のような足元が不安定な場所にいるようで、平衡感覚が保てず、自分の力で立ち続けるのが困難と感じるほど、視界なのか、頭の中なのかが、ふわふわしてしまうらしい。

船酔い(船に乗ったことないのに)とか乗り物酔いに近いのかもしれないと言っている。
脳が揺れるような感じ、とも言っている。

ふらつきがひどいので、やがて一歩も動けなくなってしまう。
近くに椅子があったり床にうずくまったりできるなら、そうやって耐える。

でも、そんな風に休めない環境で発作が起きたときはとりあえず身近にある何かに、つり革とか手すりとかにしっかり掴まって、自分が倒れ込んでしまわないように支える。

視力が悪いこともあって、文字や色の情報に酔うような感覚をおぼえる。
身近な場所で言えば、本屋さんとかは良くない場所だ。文字と色が無数に踊っていてそれぞれに意味を放って自分に圧をかけてくる、しかも、だいたいの場合本屋さんは狭く、本棚が入り組んだりしていて、すぐに逃げられないということも、発作のきっかけになりやすいかもしれない。

本屋さんに行くときはだいたい何か薬を飲んでいる。
そういった環境が自分に与える影響を知っているから、予防のためだ。

他にも、きらびやかで賑やかな場所や、目まぐるしく風景が変化するような場所、例えば家電量販店のような場所や駅などの雑踏とか、狭くて賑やかなレストランとか、ゲームセンターとかパチンコ屋のような色や光や音が派手な場所、では発作を呼びやすいと思うが、そもそもこういった場所には近づかないし、あぶないことがわかっているので予防もしやすい。

そういった日常生活で回避できる場所はそんなに問題にならず、避けられない場所、町中で思いがけず遭遇するような場所が厄介だったりする。本好きだから本屋さんは興味津々で行くのだけど、薬を飲んでいないと知らぬ間にふわふわ状態になってしまうから注意したい。

最近は長いエスカレーターとかでめまいの発作を意識してしまうらしい。ありますよね、大きなビルとかにながーいエスカレーターが。

あれは自分の力で止めたり降りたりできないし、まあまあ長い時間乗ることがあるし、狭さを意識してしまうともうだめで、発作を手繰り寄せるように身体に変調が来てしまう。階段は全然平気なようなのでエスカレーターよりは階段を使う。

めまいが起こるとまともに動けなくなってしまう。下手に動くと怪我も招くので、ただじっとしているほかなく、周囲の人からしたら変調らしい変調とは映らず、ただ無心に突っ立っている程度にしか映らないかもしれない。

視界もぼんやりに感じられてきて、自分を置いて先に行ってしまう友達との間に見えるような気がするそのふわふわした透明な壁、結局はいつだって自分と普通とを分け隔てる壁が、そこにあったんだと、見えはしないが超えることもできないその壁の手前で、ぼんごはひとり寂しくただじっと、めまいに耐える時間が増えた。

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