ぼんごさんの入院生活:ぼんごさんと看護師さん

腎炎

入院中は看護師さんがぼんごさんを看病していた。
たくさんの看護師さんがぼんごさんを支えてくれていた。看護師さんはぼんごさんにとって身近な頼れる存在だった。だからぼんごさん、看護師さんの言うことを基本的にはよく聞いて過ごした。
しかし、身近な存在であるだけに心が通わなかったときはとても悲しかった。とくに、忙しそうに接されたときはよく寂しい気持ちになった。

ぼんごさんのお気持ち表明

ある時、ぼんごさんはいつものようにナースステーションに忍び込んだ。そして、人が出払うのを見計らって、ホワイトボードにちょっとしたいたずら書きをした。

やさしいかんごしさんのとき:♡100% うれしい気持ち
つめたいかんごしさんのとき:♡50%悲しい気持ち、💔50%いやな気持ち

ちょっとお話でもしたかったな、なんて気持ちを抑えてぼんごさんは点滴のスタンドをきりきりと押して病室へ戻って、を吸って寝た。

数日たってから。
ベッドにやってきた看護師さんが尋ねた。
「ぼんごちゃん、ナースステーションのホワイトボードにハートのやつ書いたでしょ」
「私、あれを読んで心を改めたよ。反省することがいっぱいあったわ」
とそのときの看護師さんはぼんごさんの言葉から思うところがあったらしいことを言った。

どうもぼんごさんの落書きはナースステーションにしばらく残っていたらしい。誰が書いたのか話題になったりして、でもきっとこんなことするのは長く入院していて気難しい時があるぼんごちゃんに違いないわってことが看護師さんたちには見抜かれていたようだった。

「ぼんごちゃん、ごめんね」
なんて看護師さんは言うが、その時のぼんごさんは割と「ふーん」と無関心だったらしい。
いま思えば、そんな風に反省した、なんて言ってくれる看護師さんは普段から「うれしい気持ち」の看護師さんで、その看護師さんにはあのメッセージは向いていなかったのだ。だから突然そんな風に告解のようなことをされても本人としては何言ってるんだろこの人、みたいなあっけらかんとした気持ちであったらしい。

嬉しい楽しい大好き

いっとき、とても仲良くなって大好きになった看護師さんがいた。ナースステーションに行くと話をしたり遊んでくれたりして、ぼんごさんはうれしい気持ちが100%になるのだった。

あるとき、ぼんごさんはナースステーションに行き、そこにいた看護師さんに、例の大好きな看護師さんが今日来るのかどうか尋ねてみた。するとそこにいた看護師さんは、今日は彼女は深夜勤だから夜中になったら来るということを教えてくれた。明日になったら会えるよ、ということだった。

しかしテンションがうひょーと加藤一二三状態になったぼんごさん、11時まで起きていて、今日のうちにどうしてもその看護師さんに会いたくなってしまって、就寝時間の8時を過ぎてからもナースステーションで看護師さんを待つことにした。ところが待ち始めたてからそう時間もたたないうちに猛烈に眠気がやってきて、だめだねむーい、となってしまい、暗い廊下をとぼとぼと病室へ戻り、を吸って寝た。

翌朝、大好きな看護師さんが6時に起こしてくれた。起きててくれたんだってね、ありがとう、って言ってくれてうれしい気持ち100%になった。
だが、夜更かしは体調に直結しておりその日は体調が優れなかった。
それ以来夜更かしはやめようと思うようになったらしい。

また、印象に残ったのはなんだか男性っぽいところのある女性の看護師さんだった。お股かいかい事件のとき清拭をしてくれた。そのときは拭きながら「どうなのち〇ち〇は」って冗談を言って和ませようとしてくれたが低い声で突然だったのでぼんごさんは面食らってぽかんとした気持ちになってしまった。

別の日には、腸炎を起こしてしまったぼんごさん、夜中に何度もトイレに向かう羽目になってしまっていた。
お腹が痛くて苦しいなか、点滴をきりきりやりながら廊下を往復する姿をその看護師さんは見ていた。何度目かのトイレのあと、その看護師さんは「かわいそうにねえ、う〇こがとまらなくてねえ」と心配してくれた。ちょっとだけ不思議な感じのする人だったけど、優しい看護師さんだった。

大好きだった実習生

ほかにも、看護学校の実習生が来たときはぼんごさんはとても嬉しがった。
だいたい2週間を実習で過ごす。担当のこどもを設けるのだが、2週間以上の入院が確定しているぼんごさんが選ばれることが多かった。

実習生は病院の看護師さんよりも若く、自分に年が近いので、お姉さんのような印象だった。また本当の看護師ではないから時間の融通がきき、実習の合間に病室にきてくれて、お話をしてくれたり、折り紙を折って遊んでくれたり、ビーズを一緒に作ってくれたりしたのが本当に楽しかった。清拭をしてくれて、とても丁寧に優しく拭いてくれるのも嬉しかった。実習生だから3時くらいには帰ってしまうのだけど、入院生活においては外の雰囲気を感じられる出来事で、優しくて甘えさせてくれて、嬉しい時間だったのだ。

入院中は、看護師さんは、それぞれができるところでぼんごさんを育ててくれていた。
ぼんごさんも、看護師さんたちをみて育った。病院は生活の舞台そのものでもあったのだ。

ありがとう看護師さんたち。

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